前回に続き今回は洋書5選。
主に私が大学時代に最後まで読めた作品をジャンル別に取り上げるので、同じような英語力(TOEIC800点程度)の人でこれから洋書を読み始めようと考えている人の参考になれば幸いだ。
では早速。
フィクション
Mortal Stakes:Robert B. Parker
フィクションからはこの作品。
私が本作を知ったのは、村上憲郎氏の「村上式シンプル英語勉強法」。
洋書のとっかかりとしてはこれが最高だとオススメされていたので読んでみたのだが、看板に偽り無く、英語は極めて平易でかつ分量も短く、また推理小説としても面白い。
本シリーズは最終的に5冊くらい読んだが、入りとしてはこれが良いと思う。
ノンフィクション
The Big Short: Inside the Doomsday Machine: Michael Lewis
ノンフィクションからはこの作品。
私が本作に興味を持ったのは、翻訳である「世紀の空売り」が滅茶苦茶面白かったから。(後ルイスの小説は読みやすいと何かの記事で読んだから。)
リーマンショックの裏側を追った本ということで、CDFとかCDSとか訳のわからない金融用語は出てくるが、語り(英語含む)の旨さとキャラクターの生き様が面白すぎて全く気にならない。
原著のハードルが高ければ邦訳でもいいので、是非読んでほしい作品だ。
自伝
The Autobiography of Malcolm X:MALCOLM X
自伝からはこの作品。
私が本作に興味を持ったのは、スパイク・リー監督の「マルコムX」に感銘を受けたから。
自伝ということもあり、もしかしたら達意の文章ではないのかも知れないが、マルコムXが直接語りかけてくれているような感じで、一気に読めてしまった。
獄中でマルコムが学びに目覚めて辞書を1から読み始めた話、聖地で真のイスラムに帰依するシーン、かつて自ら好意を無下にした女学生への視線が変化するところに非常に強い印象を抱いた。
大傑作だと思う。
社会科学
A Theory of Justice: Original Edition:John Rawls
社会科学からはこの作品。
私が本作に興味を持ったのは、大学生当時新訳が出て話題に上がっていたことと、その訳が原著より高かったためにだったらそっちの方がいいだろうと思ったから。
とにかく難しく、正直読み切ったことで内容を噛み砕けたわけではないが、20世紀の政治哲学における最重要作の一つを読み切ったという満足感は得られた。(それだけかと言われれば申し訳ない。。)
ロールズ哲学を知りたければ下記の本などが手頃で良いと思う。
自然科学
The Cosmic Landscape: String Theory and the Illusion of Intelligent Design:Leonard Susskind
自然科学からはこの作品。
私が本作に興味を持ったのは、当時リチャード・ファインマンにハマっていた中で、ふと見た動画の一つで著者のサスキンドが彼の思い出を語っているシーンを見て、彼の素朴な人柄に引かれたからだ(物理的興味ではない)
結論として、これは滅茶苦茶面白かった。それま文系の妄想だと思っていたインテリジェントデザインが、最新のひも理論によって導かれる有力な解釈であると知って度肝を抜かれた。また英語も平易で読みやすい。
文系だからといってこういう作品を避けるのはもったいない。これは素晴らしい作品だ。
まとめ
日本は優れた翻訳文化の国なので、正直全て原著で読む必要はないが、気になったら手に取ってみてはいかがだろうか。*
*特にパーカーの作品なんてワンコインで買えるから金銭的な損失は少ないし、家の本棚に洋書があれば読まなくても多少格好もつくだろう。
以上。