動画

映画評④ GANTZ:O

序論

3Dアニメ映画史に残る大傑作。

私はそう言いたい。

本作は漫画「GANZ」の大阪編を映像化した作品。

大阪編は物語中盤の大一番で、それまで都内で戦っていたレイカたち東京チームが、このゲームをクリアした強者を何人も擁する強豪大阪チームとともに、道頓堀に現れた「星人」たちと戦う、というストーリーだ。

本論では、私がこの作品を評価するポイントを3点上げて詳述する。

本論

CGの完成度の高さ

まずはこの点をあげたい。

この映画、2016年の作品なので、既に公開から6年の月日が流れている。

だが、CGに古さだとか違和感驚くほどない。

これは想像に過ぎないが、この作品は「不気味の谷」の1cm手前にいるのではないかと思ってしまう。

つまり、人がCGを気持ち悪いと感じない(CGをCGとして受け入れる)ギリギリのラインに立っているものと感じてならない。

大げさに思われるかも知れないが、リアルを追及したCGアニメの基準(極地)はこの「GANTZ:O」である、というのが私の結論だ。

キャラクターたちの魅力

次はこの点。

実は見る前、私はここが一番不安だった。

というのは、大阪編はGANZの中でもキャラクターを引き立たせるのが難しい、と思っていたからだ。

無論原作があるので、加藤と杏になるわけだが、ともすれば加藤は直情的な熱血漢、杏はレイカの下位互換にならざるを得ない危険性があり、仮にそうなってしまうと、なんで玄野とレイカがメインじゃないんだ、という批判に繋がり、作品全体の評価が著しく下がってしまう。

しかし、である。

見た後は、「加藤、かっけえ」「杏、愛おしい」となる程、キャラクターが立っていた。

時に室屋・島木といった戦闘狂と対峙し、無常な世界でも人としてあるべきを貫く正義漢・加藤、この世の酸いも甘いも噛み分けて、生きることに執着しつつも加藤を慕い共に戦う杏。

恐らく奥先生がこの編で描きたかったキャラクター像を彼らは見事に演じ切っている。*
*演じる、というのが肝だ。これほど良く出来たCGであれば、キャラクターは演者なのだ。

敵描写の秀逸さ

最後はこれである。

ただ、秀逸といってもCGが見事だというだけではない。

確かに、牛鬼はとんでもない迫力だし、天狗は実在を疑うほどだし、ぬらりひょんはとてつもなく不気味だ。

だが私がここで取り上げたいのは「描き方」である。

それはつまり、天狗の執念であり、ぬらりひょんの総大将ぶりである。

これは私の解釈だが、この作品における星人は、単純に理解不能な他者ではなく、「理解は著しく困難だが理解可能で、そして決して相容れない敵」である。

従って、彼らの心情は「人類」の延長線上にあることが表現されていなければならない。

そしてこの作品では、「敵」の、相手を弄ぶ、侮る、激昂する、冷静になる、といった心の動きが手にとるように分かるよう描かれている。

これは凄いの一言に尽きる。

キャラクターの項でも描いたが、とにかく「演出」が見事なのだ。

結論

私はこの作品については、手放しで称賛する。Netflixで見れるので、是非。

以上。

PickUp

1

序論 試合序盤の下からの攻め(ガード)には大きく2種類ある。 シッティングガード(カラーガード)とオープンガード。 後者はオープンガードそのものというよりは、片襟片袖とか、スパイダーとか、デラヒーバと ...

2

序論 閑話休題。 実は筆者、今月末に開催される全日本マスターに出場する。 本記事は、その際にどんな音楽を聴きながら会場入りしようかと考えた結果の共有だ。 本論 結論。 熱いバイブレーション(ジョー山中 ...

3

今日はこのテーマ。 早速だが、皆さんは自分が住んでいる地域についてどれ程のことを知っているだろうか。 正直、私は全然知らない。 なのでこれから何回かに渡り、私が住む調布市の現況とこれからについて、①人 ...

-動画