今日はこのテーマ。
早速だが、皆さんは自分が住んでいる地域についてどれ程のことを知っているだろうか。
正直、私は全然知らない。
なのでこれから何回かに渡り、私が住む調布市の現況とこれからについて、①人口、②経済の観点から考察を加えてみたいと思う。
今日はその第1弾として、①人口に思いを巡らせる。
構成
調布市の現在の人口は237,888人(令和4年3月1日現在)。内訳としては男性が115,723人、女性が122,165人で、女性が7,000人程多い。
また、外国人は4,405人で、人口に占める割合は2%程度となっている。
こうしてみると、この点日本全体の傾向と大き乖離はなく、調布市に目立った特徴は見られない。
https://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1176118846560/index.html
次に、年代別の人口の割合を見てみる。
すると、全国815市の中で、高齢人口率は下位(775位)にあり、その逆に生産年齢人口率は上位(29位)と、日本でもトップクラスに若い街であるということが分かる(ただし年少人口率は263位)。
https://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1580715318273/files/22.pdf
順位は以下。
https://www.seikatsu-guide.com/info/13/13208/1/
では、なぜこれほどに生産年齢人口率が高いのだろうか。そこには何か調布市特有の事情があるのだろうか。
結論から言うと、ない。(というかそれは東京都のレベルで見たときの地域的特性として捉えるのが正しい。)
どういうことか。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/03/23/01.html
上記を見てもらえれば分かるが、調布市の年齢別人口比は、東京都全体の数値と近い。
また更にいうと、その中でも都心をぐるっと囲んだ緑のゾーンの特徴は調布とほぼ類似している。
これはつまり、都心に近いほど働き手が集中し、全体に占める割合が比較的高くなる、という常識的な考えと合致する、というわけだ(だからこそ生産年齢人口(老年人口)の割合は、都心からの距離によって規定されている。)。
と、いうことで、この点でも調布にさしたる特徴はない、ということが分かった。
動態
これも先の話で一部言及済みだが、改めて確認したい。
これは平成30年時点の推計だが、過去の動きとともに未来の予測も入っているので、使わせてもらった。
元資料(リンク先)を見ると、2028年に241,741人でピークをうち、その後2065年には204,658人にまで落ち込むという予測が立てられている。
現在、237,888人であることを踏まえると、伸び幅は後4,000人程、40年先には33,000人ほどの人が丸々いなくなる、ということになる。
さてこの点、東京都はどうか。
政策企画局が、2060年までの推計を立てているので、これを引用する。
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/actionplan-for-2020/plan/pdf/honbun4_1.pdf
こちらでもやはり、2025年に13,980,000人でピークを打ち、2060年には11,730,000人にまで人口減少が起こるという予測となっている。
現在、東京都は13,998,001人の人口を抱えているから、前述の統計が少し古いことを考えても、伸び幅はほぼ無く、40年先には2,200,000人もの人がいなくなる、ということになる。
ここ数年でピーク、かつ40年後には現行の85%程度の人口に落ち込む、という傾向は全く同じである。
この調子であれば、おそらく先の緑のゾーンはより似通った傾向性を持つことは間違いないだろう。
結論
ここまで述べてきたとおり、調布市の人口に関しては、その構成、動態ともに「東京都」という行政単位を離れての特殊性は見受けられなかった。
それでは、ここから読み取れることは何もない、という結論になるのだろうか。
私はそうは思わない。
少なくともこの結果は、今後の施策立案に向けて2つのことを示唆している。
それは、
- 現在の人口構成を活かした「打ち出の小槌」は使えない
- 調布市における取り組みは「東京都」全域に拡張しうる
ということだ。
1は当たり前の話だが、調布の人口構成・動態に特殊性がないということは、このままでも大丈夫(あるいは特殊性を活かした施策が打てる)ということはないということを示唆している。
これはここまでの話から分かることなので繰り返すまでもないが、まず何よりも現況を知ることの重要性を改めて強調したい。
そして2だ。
これもここまで書いてきたとおり、調布の人口構成・動態はともに東京都全体(特に前出緑の領域)とよく似通っている。
ということは裏を返せば、調布市で何らかの人口減少・少子高齢化対策を取り、仮にそれが成功すれば、その施策は都全体に拡張しうるということだ。
これは具体策については私の中にまだイメージがないが、一都市の施策が成功しようと失敗しようと意味がない、と考えるのではなく、この施策は都内全域にも適用しうるものだと考えれば、問題に取り組む姿勢も自ずと変わってくるのではないだろうか。
具体の話等は、②経済についての考察も含めて多面的に考えたい。
以上。